加瀬英明のコラム
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  北朝鮮の非核化に言及なし 米朝首脳会談で成果を掴めるか
    Date : 2018/05/22 (Tue)
 4月27日に全世界が注目するなかで、文在寅(ムンジェイン)大統領と金正恩(キムジョンウン)委員長による南北首脳会談が、板門店の韓国側にある「平和の家(ピンファウィ・チプ)」で行われた。

 李朝時代の王宮の衛兵(ウイビョン)の、ど派手な衣装をまとった儀仗兵が堵列するなど、文、金の2人の大根役者(オルガソイ)が演じた、まさに3流の“韓流ドラマ”だった。

 私は20代から朝鮮語を学んだが、韓国人だったら、「インマンサルソ」(口ばっかり)というところだ。「インマンサルソ・アンデ」になると、「いい加減なことをいうな」と、叫ぶことになる。

 文在寅大統領が、個人的な功名心から、オリンピックの政治利用が固く禁じられているのにもかかわらず、平昌(ピョンチャン)冬季大会に北から高位の代表団や、美女応援団・合唱団を招いて、空疎な“南北融和”を演出したのが、切掛けとなって、トランプ大統領が“勇み足癖”から、米朝首脳会談に応じることになった。

 文在寅――ムン・ジェイン大統領は、“従北(ジョンプク)”として知られ、韓国の真当な国民から、「文災難(ムン・ジェアン)」と、呼ばれている。もっとも、韓国のマスコミは政権を支持する国民を「市民(シミイン)」、政権を批判する国民を「右翼(ウイク)」「保守派(ポスパ)」と、蔑んでいる。

 それにしても、日本の大手テレビのキャスターたちが、今回の南北首脳会談の映像を背景にして、「歴史的な会談」と声を潤(うる)ませて連発するのに、きっと韓流ドラマの見過ぎなのだと、思った。

 トランプ大統領は、1ヶ月以内に予定されている米朝首脳会談が、行われない可能性もあると述べているが、そうなってほしいものだ。

 金正恩がよほどの愚か者でないかぎり、北朝鮮が核兵器を手放すことは、ありえない。

 これまで、金正恩委員長は「朝鮮半島の非核化」を唱えても、「北朝鮮の非核化」に言及したことがない。

 北朝鮮に対しては、南北首脳会談も、米朝首脳会談も行なうことなく、米日韓、中国を加えた国連による経済制裁を、粛々と強めてゆくべきだった。

 トランプ大統領が金委員長の前に、米朝首脳会談というニンジンをぶら下げなければ、金委員長が窮鳥を演じて、北京の習近平主席のもとに、走ることがなかった。

 米朝首脳会談が「世紀のショー」として行われたとしても、ニュースを娯楽だと勘違いしているテレビを喜ばせるだけで、空騒ぎに終わることとなろう。

 トランプ大統領としては、米朝首脳会談に臨んで、何も成果がえられず、手ぶらで帰ることになったら、「軽挙」だったということになって、沽券(こけん)が大きく傷ついてしまう。

 といって、北朝鮮に軍事攻撃を加える勇気はあるまい。

 そこで、北朝鮮が提案してきた「北朝鮮の非核化」ならぬ、「朝鮮半島の段階的非核化」へ向けて、米朝交渉を続けてゆくことになるのではないか。

 北と話し合っているあいだに、制裁を強めることは難しい。北朝鮮は中国を後盾として時間を稼ぎ、ミサイル試射、核実験を行わなくても、性能を向上させることができる。

 だが、そのあいだ戦争は起らない。日本としては、“平和ボケ”から目を覚まして、真剣に防衛力の強化に励むべきだ。「鬼のいぬ間に洗濯」だ。


  ドタキャンの可能性を残す注目の米朝首脳会談
    Date : 2018/05/10 (Thu)
 平昌(ピョンチャン)オリンピック大会後、5月に米朝首脳会談が催されるというニュースについで、北朝鮮の金正恩委員長が北京を訪問して、習近平国家主席と抱き合うことによって、東アジア情勢が目まぐるしく変わった。

 そのなかで、安倍首相が4月17日から訪米し、トランプ大統領のフロリダ州のマルラーゴ別荘で、日米首脳会談が行われる。

 本誌の発刊が日米首脳会談後になるが、東アジア情勢が朝鮮半島を軸として、どのように展開してゆくのか、予想が外れるのを覚悟して、考察したい。

 金委員長が3月26日に北京を電撃訪問したのは、アメリカの大統領と直談判(じかだんぱん)できるという“多年の夢”が実現するものの、決裂した場合には、自分の生命が危いという恐怖感にとらわれて、このところ中朝関係が大きく捩じれていたのを余所(よそ)に、中国の後ろ盾を手に入れようとした。

 他方、習主席は米朝会談の“蚊帳(かや)の外”におかれたら、面子を失う不安に駆られていたので、金委員長が懐(ふところ)に飛び込んできたのを大歓迎した。政略結婚ならぬ、政略恋愛だ。

 金委員長はトランプ大統領が直前に、ティラーソン国務長官とマクマスター国家安全会議(NSC)担当特別補佐官を更迭して、ポンペオ元CIA長官とボルトン元国連大使を起用したのに、震えあがったにちがいない。

 2人は北朝鮮の非核化を達成するために、外交ではなく、軍事攻撃を加えるべきだと主張してきた。とくにボルトン氏は、ブッシュ(父)政権の国務次官の時に、リビアを当事者として非核化した実績があり、北朝鮮に「リビア方式」を適用すべきだと説いてきた。

 カダフィ議長の独裁下にあったリビアは、核兵器開発を進めていたが、アメリカの甘言に誘われて、2003年に核施設を解体された。だが、リビアは2011年に、オバマ政権による軍事攻撃を蒙って、政権が崩壊し、カダフィ議長は隠れていたところから引きずり出されて、殺害された。

 金委員長は米朝首脳会談を前にして、「朝鮮半島の非核化」に合意しているが、北朝鮮の「非核化」ではない。そのうえ、「段階的な」という条件をつけているが、これは「時間をかけて行おう」という、中国の主張と合致している。

 私は北朝鮮が核兵器を手放すことは、ありえないと思う。

 では、米朝首脳会談が物別れか、不調に終わった場合に、アメリカは北朝鮮に軍事攻撃を加えるだろうか?

 私はトランプ大統領に、北朝鮮を攻撃する勇気は、おそらくないと思う。韓国と日本があまりにも大きな被害を、蒙ることになる。

 トランプ大統領が、成果がないと判断すれば、5月の米朝首脳会談が行われない、可能性もあろう。

 それに、トランプ大統領はブッシュ(子)政権からオバマ政権まで、海外――アフガニスタンから中東まで、外征戦争に深入りしたのに終止符を打って、アメリカ軍を引き揚げた大統領として、レガシーをのこしたがっていると思う。

 安倍首相はトランプ大統領とマルラーゴ別荘において、大統領が昨年11月に来日した時まで続いた、2人の友情の“蜜月時代”が、微妙に変化したなかで、再会する。

 トランプ大統領は、金正恩委員長と米朝首脳会談を行うことを発表した時に、事前に日本と協議することがなかった。

 トランプ大統領は、昨年11月にはまだ世界政治の新入りだったから、外交体験が豊かな、安倍首相に位(くらい)負けしていた。

 いま、トランプ大統領は自信を増しており、そのうえ、アメリカの軍事力に頼るだけの日本が、朝鮮半島危機に当たって、主要なプレイヤーでないことを、知っている。

 もちろん、安倍首相は厚遇されようが、日米首脳間の厳しい取り引きの場となろう。


  御代替りに私たちが考えるべきこと
    Date : 2018/05/07 (Mon)
 3月は、国会が「森友問題」で忙殺された。

 そこに、5月に米朝首脳会談が行われるというニュースが飛び込み、北朝鮮の金正恩委員長が北京を電撃訪問して、世界を驚かせた。

 そのためだろうか、来春、天皇陛下が退位され、御代替りにともなう重要な一連の式典や、祭祀が行われるが、国民が十分な関心を向けていないと思う。

 今上天皇は退位されるのか、譲位されるのか

 今上陛下が「天皇退位等に関する皇室典範特例法」に従って、来年4月30日に退位され、翌日、126代目の天皇が即位される。

 今年の新年参賀には、13万人を超える善男善女の波が皇居を訪れた。来年、譲位される陛下への崇敬の念と愛借の情が、皇居へ向かわせたのだった。

 私はここで不本意に「退位」という言葉を使っているが、退位はロシア革命によって、皇帝が退位を強いられ、あるいは第2次大戦の敗戦によって退位を強いられた、イタリアの国王に起ったことである。

 退位は王朝が絶えることを、しばしば意味した。

 今上陛下のご意志によって、来春、皇太子に皇位を譲られるのだから、譲位というべきだった。

 ところが、政府も国会も「特例法」のなかで、なぜか「退位」という言葉を用いている。

 一昨年8月8日に、今上陛下がテレビを通じて譲位されたいという、御意向を明らかにされた。

 私は月刊『WiLL』誌(平成28年10月号)に、「これは、天皇によるクーデターだった。お言葉のなかで、皇室典範が定めている摂政制度を斥けられたが、天皇が法を改めるよう要求されることは、現憲法下であってはならないことだった」と、寄稿した。

 陛下の御意志に従って、譲位を実現するために、皇室典範を改めなければならなかった。

 そのために、政府も国会も、天皇の御意志によって法律を改めたのでなく、陛下の御高齢に配慮して、法を改正したという体裁を繕って、退位という言葉を用いた。

 即位にともなう祭祀は、それなしに皇統の継承が成り立たないのに、憲法が定める「政教分離原則」に従って、「私的な皇室行事」とみなされ、国事として催されない。

 来年11月に、新天皇によって大嘗祭が行われる

 来年11月14日に、新天皇によって大嘗祭(だいじょうさい)が執り行われる。

 新天皇の誕生に当たって、天皇が行われる最初の新嘗祭(にいなめさい)である大嘗祭が、もっとも重要な祭祀であってきた。

 もっとも、「皇室の行事」は「皇室の公的な行事」であって、大嘗祭が「国事行為」とされない理由として、憲法上、天皇の「国事行為」は「内閣の助言と承認」を必要としており、皇室祭祀には適用されないという説明もあるが、強弁でしかなかろう。

 大嘗祭のために、黒木と呼ばれる、木肌のままのクヌギの丸太を用いた悠紀殿(ゆきでん)と、主基殿(すきでん)の2つの大嘗宮が造営される。

 両殿はまったく同じ造りで、床下は土間のうえに草をしいて、そのうえに竹簀を置く。奥の部屋は大地に蓆(むしろ)をしいただけで、そのうえに衾(ふすま)と呼ばれる夜具が置かれる。

 古代が21世紀に生きている

 新嘗祭は新穀の収穫を、神々に感謝する祭である。大嘗祭はまず悠紀殿において「夕の儀」が行われ、天皇は天照大御神が降臨されると、新穀の米飯と栗飯を3箸ずつ、柏の葉を重ねた器(うつわ)に盛られて、おすすめする。

 柏の葉の皿を枚手(ひらて)といい、箸は2本棒ではなく、箸の原形とされる、削いだ竹を火で焙ってピンセット状にしたものだ。大嘗祭は「おほにへまつり」と呼ばれた、古いお祭りである。

 天皇は神饌を御親供になられたうえで、奥の部屋へ移られ、衾にくるまられる。赤児の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が夜具にくるまれて、高天原から天孫降臨されたのを再演される。

 「夕の儀」が終わると、主基殿において「暁の儀」が夜を徹して行われるが、まったく同じ内容の祭祀が繰り返される。

 政府は大嘗祭が“皇室の私事”として催されるが、内廷費で賄えないので、国費を支出するとしている。

 4月3日の閣議は、「大嘗祭の挙行については、『即位の礼・大嘗祭の挙行等について』(平成元年12月2日1日閣議口頭了解)における整理を踏襲し、今後、宮内庁において遺漏のないよう準備を進めるものとする」と、口頭で了解した。

 政府が大嘗祭を遺漏なく準備することは、「政教分離原則」に反しているが、野党もマスコミも異論を唱えまい。

 天皇が憲法に優っておられた

 天皇こそ、日本の芯である。そこで、天皇が行われる祭祀は、皇室の“私事”として扱うような、軽いものではあるまい。

 それとも、アメリカの占領下で強要した現行憲法が、日本の芯なのだろうか?

 だが、今上陛下が一昨年テレビを通じて、憲法に違反して法律を改めることを要求されたのにもかかわらず、国会が全会一致によって御意向に従ったことは、天皇が現行憲法よりも上にあることを、証したものだった。

 履き違えた「政教分離」
 
 アメリカ占領軍はまったくの無知から、神道を未開なというと、野蛮な宗教とみなして、「政教分離」を強制したのだった。アメリカは同じ敗戦国のドイツも占領して統治したが、ドイツはキリスト教国だったから、もちろん、「政教分離」を強要しなかった。もし、日本がフィリピンのようなキリスト教国だったとしたら、アメリカは日本に「政教分離」を強いることがなかった。私たちが神道を蔑視し続けて、よいものだろうか。

 いったい、現行憲法は日本という国より上にあって、日本国よりも尊いのだろうか?

 護憲派の人々は、日本国憲法が日本国よりも上にあると、主張している。

 だが、現行憲法の出自は暗いし、日本の国としての悠久の歴史とくらべれば、まだ70年しかたっていない。

 天皇こそが、日本を日本たらしめている。天皇の存在がない日本を、とうてい想像することはできない。

 天皇の存在がなくなってしまえば、日本は滅びてしまおう。断絶のない国体が、日本に気品を与え、日本を和の国として安定をもたらしてきた。

 今日の日本国民のなかで、どれだけの者が新嘗祭、大嘗祭はもちろんのこと、天皇家の起源を語っている日本神話について、知っているものだろうか。

 学校教育は国民の心を受け継いでゆくために、行われるべきものだ。憲法の目的も、2000年以上にわたる悠久の日本の心を守ることが、もっとも大きな役目であるべきだ。現行憲法は、日本を敵視している。

 天皇の御存在が、危ふいものとなっている。平成28年に、秋篠宮家に悠仁親王が御誕生になられたが、このままでは皇統が遠からず絶えてしまうことになろう。まさに国難である。占領下で臣籍降下を強いられた11宮家のなかから、ふさわしい男子に皇籍復帰をお願いするべきである。

 人も国家も、伝統精神と現代精神が交わるところで、生きなければならない。

 いったん伝統精神が失われてしまえば、人も国家も糸が切れた凧(たこ)のように、あてどもなく世界を漂うことになってしまう。国家が漂流してよいものか。日本は押しつけられた、借り物の現行憲法のもとで、使い捨てのプラスチックの造花に似ている。

 宮中祭祀は国民のために行われる

 日本国憲法のもとで、天皇が「象徴天皇」として、神聖な存在でなくなってしまっている。

 日本国民の大多数が、天皇が神々(こうごう)しい存在であることを認めているが、憲法は現実から遊離している。

 現実からかけ離れた憲法は、国民の精神を狂わせる。人はしっかりと両足を大地につけて、立たなければならない。


  日本を守るD 米国の占領政策から「自立を」
    Date : 2018/05/07 (Mon)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、オリンピックの政治利用は禁じられているのに、北朝鮮の高位代表団と美女音楽団や、応援団を平昌(ピョンチャン)大会に招いて“南北融和ショー”を演出したために、トランプ大統領が金正恩委員長との会談に応じる“空騒ぎ”に、発展している。

 文大統領が功名心から余計なことをしたために、北朝鮮危機を混乱させてしまった。日米韓、中国をはじめとして、国連による北朝鮮に対する経済制裁を粛々と強化してゆけば、よかったはずだ。

 27日に、南北軍事境界線の板門店の韓国側にある「平和の家」(ピョンファ・ウィ・チプ)で南北首脳会談が行われるが、文大統領が金委員長にどのように媚びるか、見物である。北朝鮮贔屓として知られる文大統領は、保守派の韓国民から「文災難」(ムン・ジェアン)と呼ばれている。

 文大統領は北に胡麻(ごま)をするかたわら、ことあるごとに日本を足蹴にするのに忙しい。

 そのために、日本では嫌韓感情が日増しに強まっている。いまや、全国民が韓国を蔑み、憐れむようになっている。

 だが、私たちに韓国を蔑む資格が、いったいあるのだろうか。

 韓国は日本統治が終わって73年になるのに、いまでも「日帝時代」が悪かったと非難して、自立できないでいる。日韓併合は、73年の半分の36年でしかなかった。

 日本でも、アメリカによる占領が65年前に終わったというのに、東京裁判をはじめアメリカの占領政策が悪かったから、占領時代を非難するのに忙しく、いまだに自立することができない。韓国によく似ているではないか。

 韓国では李氏朝鮮が、日韓併合まで500年にわたって続いた。李朝は高麗朝の将軍だった李成桂(イ・ソンゲ)が、クーデターによって高麗朝を倒して、自らの王朝をたてた。

 李朝は軍がクーデターを起す危険な存在だとして嫌って、必要最小限の軍備しか持つことがなかった。そのために外敵の侵略を蒙るたびに、宗主国の中国による保護に依存した。

 今日の日本は、中国をアメリカに置き換えると、李朝に変わらない。

 日本の国会議員や、大手のマスコミ人、学者たちには、朝鮮服が似合うのではないかと思う。


  日本を守るC 米朝の偶発的軍事衝突 現憲法では国民を守れない
    Date : 2018/05/07 (Mon)
 私は米朝首脳会談が行われないか、物別れに終わっても、アメリカが北朝鮮に軍事攻撃を加えることは、まずないと思う。

 すると、ここしばらく手に汗を握るような朝鮮半島危機が、続いてゆくことになる。

 日本としては、平和の惰眠を貪ることから目覚めて、ミサイル迎撃システムを強化し、敵基地を攻撃する能力を整備して、鬼のいぬ間に大急ぎで洗濯に励むべきである。

 トランプ大統領は、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験しするか、核実験を行ったら、軍事攻撃を加えると脅しながら、北朝鮮に対して海上封鎖を行うことになろう。かつて、1962年のキューバ・ミサイル危機に当たって、ケネディ政権がキューバに対して海上封鎖を断行して、成功した前例があるから、アメリカ国民は喝采しよう。

 そうなると、アメリカと北朝鮮の間で、偶発的な軍事衝突が起こる可能性が高まろう。

 アメリカはその場合に、日本に相当な被害が生じても、北朝鮮に全面攻撃を加えることになる。日本という肉を斬らせて、北朝鮮という骨を断つのだ。

 1年ほど前に、ペンタゴン(国防省)のアドバイザーが来日した時に、私の事務所を訪れて、「われわれが北朝鮮を攻撃すれば、金正恩政権は面子にかけて、かならず韓国、日本に攻撃を加えよう。日本に飛来する第1波のミサイルをすべて迎撃して破壊することはできないから、日本は耐えてもらうほかない。しかし、2波はけつして撃たせないから、安心してほしい」といった。

 現状では、日本は北朝鮮が日本へ向いて発射してくる、多数の弾道弾に対して、国民を守る能力はまったくない。PAC3ミサイル迎撃ミサイル・システムが北海道から沖縄まで17ユニット配備されているだけだから、国土の100分の1すら守ることができない。

 日本を守るためには、アメリカに縋(すが)るほかないのだ。

 日本国憲法は「平和憲法」と呼ばれているが、もともとアメリカが占領下で、「アメリカの平和」のために、日本に押し付けたものだ。私たちは「日本の平和」を守るためには、まったく役に立たないことを、覚らなければならない。

 それにしても、どうして原水爆禁止協議会(原水協)の諸兄姉が立ち上がって、ミサイル迎撃システムを増強することを、政府に強く要求しないのだろうか。


  日本を守るB 米朝会談決裂なら海上封鎖か
    Date : 2018/04/27 (Fri)
 金正恩委員長は、偉大な祖父と父も手が届かなかった米朝首脳会談が、ほどなく自分の力によって実現することに、自己陶酔に浸っていよう。

 6、7週間以内に、全世界のきらめく脚光を浴びるなかで、トランプ大統領と膝を交えて、向い合うことができるのだ。

 だが同時に、情緒不安定で、政治の初心者であるはずのトランプ大統領を、もし操るのに失敗したら、アメリカから圧倒的な軍事力による攻撃を蒙って、全てを失うことになるのに、戦(おのの)いていよう。

 一方、トランプ大統領にとっても、大きな賭けだ。会談を行っても北朝鮮を非核化する成算がないと判断した場合には、取りやめることにしている。

 トランプ大統領は首脳会談を行って、目論見が大きく外れて会場を去る時に、世界の物笑いにならないように、どのように振る舞えばよいものか、頭を悩ませていよう。“リトル・ロケットマン”と名付けた金委員長に、位負けするわけにゆかない。

 トランプ大統領は米朝首脳会談が物別れに終わって、面子を潰された後に、北朝鮮に対してただ経済制裁による締め付けを強めるだけでは、米朝首脳会談が“笑い草の軽挙”にすぎなかったことになる。

 だが、私はアメリカが北朝鮮に軍事攻撃を加えることは、ありえないと思う。

 トランプ大統領は北朝鮮を攻撃した場合に、韓国、日本が蒙る被害が、あまりにも大きいために、攻撃する勇気を欠いていよう。

 私はアメリカの友人に会うと、「アメリカの国章を白頭鷲から、チキンに替えたほうがよいのではないか」と、からかっている。

 それに、トランプ大統領はオバマ政権にいたるまで、アフガニスタンから中東まで、外征戦争に深入りしたのに終止符を打って、米軍を引き揚げた大統領として、輝やかしいレガシーをのこすことを、夢見ている。

 といって、トランプ大統領は手を拱(こまね)いているわけに、ゆかない。それでは、沽券(こけん)にかかわるから、何か“劇的なこと”を行わなければならない。

 私は米海空軍を使って海上封鎖を実施することを、発表することになると思う。その場合、海空自衛隊が現行の安保法制に従って、後方支援に留まるとしたら、日米同盟関係が崩壊してしまうこととなろう。

 日本の前途に、大きな試練が待っている。


  日本を守るA 正恩は絶対に核兵器を手放さない
    Date : 2018/04/26 (Thu)
 常夏の米フロリダ州にある竜宮城のようなドナルド・トランプ大統領の別荘「マールアラーゴ」で、2日間にわたった日米首脳会談(17、18日)が終わった。

 何といっても、6月初旬までに予定されている、世紀のショー≠ナある米朝首脳会談こそ、最大のテーマだった。

 安倍晋三首相とトランプ氏は、日米両国がかねてから合意してきた、北朝鮮に「核・弾道ミサイルの、完全な検証可能、不可逆的な廃棄を求める」ことを再確認した。さらに、トランプ氏は会談後の共同記者会見で、拉致問題について「最善を尽す」ことを力強く約束した。

 だが、日本が拉致問題について、まったく無力であるのは情けない。

 会談の首尾は、上々だったと思う。2日目は、貿易問題を取り上げた。

 トランプ氏が強面(こわもて)をつくって、日本に譲歩を迫った。日本は重い宿題を背負わされたが、安倍首相はその場をはぐらかして、うまくさばいた。

 両首脳の会談の冒頭で通訳を交えて、55分間、差しで話した。通訳が半分の26分を費やすから、2人が同じ時間話したとすると、13分ずつになる。

 安倍首相はその間に、一筋縄ではいかないトランプ氏と、呼吸を合わせることができた。歴代の首相のなかで、誰よりも外交経験を積んでいるだけでなく、天性の猛獣―いや、外国人使いだ。

 日本にとって刻々と暗雲が募る朝鮮半島危機と比べれば、森友学園をめぐる決裁文書改竄(かいざん)問題や、財務省高官のセクハラ疑惑、県知事の「買春」問題や、貿易問題は小さな問題でしかない。

 もし、朝鮮半島が火を吐けば、日本で数千人、数万人の死者が生じよう。北朝鮮がすでに小型化した核弾頭を完成していれば、日本が再び被爆国となる可能性がある。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、核兵器を手放すことは、絶対にあり得ない。

 仮に、米朝首脳会談が実現して不調に終わるか、北朝鮮が非核化に応じることがないと判断して、首脳会談が行われなかった場合に、トランプ政権が北朝鮮に軍事攻撃を加えることになるのだろうか?

 正恩氏は「北朝鮮の非核化」ではなく、「朝鮮半島の非核化」を「段階的に」ゆっくり時間をかけて進めて、段階ごとに米国、日韓から、ご褒美をせしめようとしているが、米国はその手に乗らない。

 そうなると、これからどうなるだろうか。


  日本を守る@ 軍事的役割を果たせなければ、プレーヤーになり得ない
    Date : 2018/04/24 (Tue)
 米南部フロリダ州にあるドナルド・トランプ大統領の別荘「マールアラーゴ」に、安倍晋三首相が乗り込んで17、18日(米国時間)、日米首脳会談が行われた。この様子に日本全国が一喜一憂していた。

 これまで、日本の新聞やテレビは、安倍首相とトランプ氏との「緊密な関係」を強調してきたが、本当にそうなのだろうか?

 トランプ氏は就任1年3カ月目に入ったが、世界のリーダーで安倍首相ほど会った回数が多い首脳はいない。トランプ氏が大統領選で勝利した直後、安倍首相は真っ先にニューヨークのトランプタワーに駆け付けた。首脳会談としては6回目で、20回ほど電話で話し合っている。

 だが、昨年11月にトランプ氏が訪日したときを最後に、「2人の『蜜月時代』は終わった」と言わねばならない。

 トランプ氏は3月8日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談すると発表して、世界を驚かせた。日本にとって朝鮮半島危機は死活問題であり、日本は米国のアジアにおける最も重要なパートナーだが、日本と事前に協議することはなかった。

 3月末、トランプ氏は、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動した。カナダやメキシコ、欧州連合(EU)、韓国などは輸入制限の対象外となったが、日本は適用対象となった。

 トランプ氏が昨年まで、安倍首相を師≠フように扱ったのは、自分が「外交のシロウト」であり、ベテランの安倍首相から学ぶことが多かったからだった。

 もちろん、トランプ氏は今回の首脳会談で、安倍首相夫妻を歓待した。だが、米国にとって、日本がアジアにおいて唯一信頼でき、言うことを聞かせることができる大国であるからだ。

 日本は、6月初旬までに行われる米朝首脳会談で「蚊帳の外」に置かれているが、自業自得だ。米国の保護にただ依存して、軍事的役割を一切果たせないから、プレーヤーになり得ない。

 安倍首相は、日本人拉致問題について、トランプ氏に協力を懇願した。日本がもし、GDP(国内総生産)で半分程度しかない英国かフランス並みの軍備を整備していたら、北朝鮮にむざむざ国民を拉致されることはなかった。つまり拉致被害者は、日本国憲法の被害者なのだ。

 日本全国が日米首脳会談に一喜一憂するのは情けない。平和憲法≠ノよって、米国に甘えて、国家の独立を依存しているからだ。


  しばらく続く朝鮮半島危機 日本は鬼の居ぬ間に洗濯?
    Date : 2018/04/23 (Mon)
 金正恩委員長とトランプ大統領は、5月末に予定されている、米朝首脳会談という罠に落ちるのではないか、神経を昂らせている。

 習近平国家主席は、米朝サミットが発表されると、もし蚊帳の外に置かれたら、沽券(こけん)にかかわると不安に駆られていたが、金委員長が中国の後ろ盾をえようと懐に飛び込んできたために、晴れやかな笑顔を浮べて歓迎した。

 金委員長は北朝鮮ではなく、「朝鮮半島の非核化」を受け入れると表明しており、朝鮮半島全域の問題として、米韓共同防衛条約の解消を要求するものと、思われる。

 すでに米朝サミットへ向けて、米朝間で交渉が行われているが、ホワイトハウスが成果がまったく期待できないと判断すれば、首脳会談が実現しない可能性もあろう。

 米朝首脳会談が実現すれば、トランプ大統領は北朝鮮が核兵器を完全に放棄するのと引き替えに、金委員長をホワイトハウスに国賓として招き、大使館の相互開設、韓国、日本から気前よい資金供与を約束しよう。

 金委員長はサミットを控えて、北朝鮮に先制攻撃を加えることを強く主張してきた、ボルトン元国連大使とポンペオ元CIA長官が、それぞれ国家安全会議(NSC)担当首席補佐官と国務長官に起用されたことに、不安を募らせていよう。

 だが、首脳会談が不調に終わっても、金委員長が脅えているように、アメリカが直ちに北朝鮮に軍事攻撃を加えることは、ありえないと思う。といって、トランプ大統領は手を拱(こまね)いているわけにいかないから、北朝鮮に対する締めつけを一段と強めて、海上封鎖を行うのではないか。

 トランプ大統領は北朝鮮に先制攻撃を加えた場合、韓国と日本が蒙る被害があまりにも大きなものであるために、攻撃する勇気を欠いていようから、私はアメリカの友人に会うと、「アメリカの国章を白頭鷲から、チキンに替えたほうがよいのではないか」と、からかっている。

 それに、トランプ大統領はブッシュ(子)政権からオバマ政権まで、アフガニスタンから中東まで、外征戦争の泥沼に深入りしたのに終止符を打って、アメリカ軍を引き揚げた大統領をして、レガシーをのこしたがっていると思う。

 習主席はかねてから、北朝鮮の非核化は「段階的に、時間をかけて」行うべきだと主張してきたが、北朝鮮の非核化を強く望んでいない。

 すると、ここしばらくは朝鮮半島危機が続くこととなろう。日本としては、「専守防衛」の解釈を変えて、ミサイル防衛システムを強化し、敵基地を攻撃する能力を整備して、“鬼の居ぬ間に洗濯”に励むべきである。

 本誌は、4月17日からフロリダ州マルラーゴで行われる、日米首脳会談が行われた後に発刊されるが、トランプ大統領が昨年11月に来日した時まで、安倍首相との間に続いた、2人の“友情の蜜月時代”が終わっていると、考えるべきである。

 トランプ大統領は、日本がアメリカのアジアにおける、唯一つ信頼できる大国であるから、安倍首相を歓待しようが、アメリカの軍事力に頼るだけの日本は、朝鮮半島危機に当たって、主要なプレイヤーではない。

 国民は極端な平和主義が、日本の外交力と自衛力を大きく損ねている現実を、覚らなければならない。


  しばらく続く朝鮮半島危機 日本は鬼の居ぬ間に洗濯?
    Date : 2018/04/23 (Mon)
 金正恩委員長とトランプ大統領は、5月末に予定されている、米朝首脳会談という罠に落ちるのではないか、神経を昂らせている。

 習近平国家主席は、米朝サミットが発表されると、もし蚊帳の外に置かれたら、沽券(こけん)にかかわると不安に駆られていたが、金委員長が中国の後ろ盾をえようと懐に飛び込んできたために、晴れやかな笑顔を浮べて歓迎した。

 金委員長は北朝鮮ではなく、「朝鮮半島の非核化」を受け入れると表明しており、朝鮮半島全域の問題として、米韓共同防衛条約の解消を要求するものと、思われる。

 すでに米朝サミットへ向けて、米朝間で交渉が行われているが、ホワイトハウスが成果がまったく期待できないと判断すれば、首脳会談が実現しない可能性もあろう。

 米朝首脳会談が実現すれば、トランプ大統領は北朝鮮が核兵器を完全に放棄するのと引き替えに、金委員長をホワイトハウスに国賓として招き、大使館の相互開設、韓国、日本から気前よい資金供与を約束しよう。

 金委員長はサミットを控えて、北朝鮮に先制攻撃を加えることを強く主張してきた、ボルトン元国連大使とポンペオ元CIA長官が、それぞれ国家安全会議(NSC)担当首席補佐官と国務長官に起用されたことに、不安を募らせていよう。

 だが、首脳会談が不調に終わっても、金委員長が脅えているように、アメリカが直ちに北朝鮮に軍事攻撃を加えることは、ありえないと思う。といって、トランプ大統領は手を拱(こまね)いているわけにいかないから、北朝鮮に対する締めつけを一段と強めて、海上封鎖を行うのではないか。

 トランプ大統領は北朝鮮に先制攻撃を加えた場合、韓国と日本が蒙る被害があまりにも大きなものであるために、攻撃する勇気を欠いていようから、私はアメリカの友人に会うと、「アメリカの国章を白頭鷲から、チキンに替えたほうがよいのではないか」と、からかっている。

 それに、トランプ大統領はブッシュ(子)政権からオバマ政権まで、アフガニスタンから中東まで、外征戦争の泥沼に深入りしたのに終止符を打って、アメリカ軍を引き揚げた大統領をして、レガシーをのこしたがっていると思う。

 習主席はかねてから、北朝鮮の非核化は「段階的に、時間をかけて」行うべきだと主張してきたが、北朝鮮の非核化を強く望んでいない。

 すると、ここしばらくは朝鮮半島危機が続くこととなろう。日本としては、「専守防衛」の解釈を変えて、ミサイル防衛システムを強化し、敵基地を攻撃する能力を整備して、“鬼の居ぬ間に洗濯”に励むべきである。

 本誌は、4月17日からフロリダ州マルラーゴで行われる、日米首脳会談が行われた後に発刊されるが、トランプ大統領が昨年11月に来日した時まで、安倍首相との間に続いた、2人の“友情の蜜月時代”が終わっていると、考えるべきである。

 トランプ大統領は、日本がアメリカのアジアにおける、唯一つ信頼できる大国であるから、安倍首相を歓待しようが、アメリカの軍事力に頼るだけの日本は、朝鮮半島危機に当たって、主要なプレイヤーではない。

 国民は極端な平和主義が、日本の外交力と自衛力を大きく損ねている現実を、覚らなければならない。


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